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ただし、ξg,ηgはg番目の積分点の座標、ωgはそれに対応する重み係数、ngは積分点の総数である。
6. 特殊処理
第4章の非定常ポテンシャルの積分方程式(4.2.3)式には定常撹乱ポテンシャルの二次微分が含まれている。この二次微分は物体表面積分中のmjと、自由表面積分中のfjの中の

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である。数値計算の際に、二次微分は精度か悪くなるので、避けるほうが良い。
6−1. 物体表面のmj
Tuck定理7)によって、次の積分等式が成立する。

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ここで、物体表面と自由表面が垂交することを仮定し、また、定常撹乱ポテンシャルの境界条件を用いている、従って、定常撹乱ポテンシャルの二次微分の積分はその一次微分の積分により計算できる。
6−2. 自由表面の

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同様にして、自由表面でz-方向のTuck定理7)を用いて、次の積分等式が成立する。

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ここで、下付きの2は二次元のナブラという意味である。
7. 計算例
7−1. 鉛直円柱
鉛直円柱について計算し、準解析解4)と比較する。
鉛直円柱は半径r=a、喫水d−a.水深h=2aとし、仮想境界面の半径r0=5aとした。重心は自由表面の真下0.75dのところにあり、入射波は流れと反対方向から入射するとする。

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図2 物体表面の分割

用いた物体表面要素の分割を図2に示す。波漂流減衰力係数の計算結果を図3に示す。準解析解と良く一致している。
次に、楕円体について計算し、物体の幅と喫水により、波漂流減衰力がどの様に変化するかを調べる。
用いた楕円体の長さは2aとして、幅と喫水はそれそれ表1に示す。また、水深h=2aとし、仮想境界面の半径r0=5aとした。入射波と流れの条件は円柱の計算と同じである。

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表1 楕円体の幅と喫水

 

 

 

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